ZEH（ゼッチ）とはNet Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)

断熱や省エネ性能の向上によりエネルギーの消費を減らし、太陽光発電などで自らエネルギーをつくる「創エネルギー」によりエネルギー収支をゼロ以下にする住宅のことです。

省エネ住宅は、断熱性や気密性を高くすることによりエネルギー消費の少ない住宅のことで、創エネルギー機能はありません。

ZEHの条件

・断熱性

室内外に熱を伝えにくくする性能が断熱性です。

断熱が良い住宅は、冬の室内の暖かさを外に逃がさず、夏の暑い外気を室内に伝えにくいので冷暖房効率が良いため省エネしながら、一年中快適に過ごせます。

断熱性能はUA値（外皮平均熱貫流率）で表します。

ZEHの基準は住んでいる地域により変わりUA値0.4～0.6（W/㎡K）以下が条件です。

・省エネルギー性能

省エネルギー効果の高い設備を導入することにより従来のエネルギー使用量より20％以上削減することが求められます。

空調、照明、給湯、換気の4項目をZEHの基準を満たした機器にする必要があります。

・創エネルギー

太陽光発電などでエネルギーをつくりだすこと。

太陽光発電などで家庭用燃料電池や蓄電池を作ることは日常的なエネルギーだけでなく災害時のエネルギーとして役立ちます。

ZEHの普及には、エネルギー自給率が低い日本のエネルギー問題が大きく関わっています。

災害などによりエネルギーの供給や価格が不安定になる可能性があるので、住宅単位での省エネルギー・創エネルギー化のZEHの普及が注目されるのです。

また、政府は2030年までに新築住宅の平均でZEHの実現を目標設定しているため、各ハウスメーカーなどもZET基準に対応しています。

メリット

・光熱費の削減

エネルギー収支がゼロを目標とした家なので光熱費の削減になります。

断熱性や省エネの効果が高い設備、創エネルギー設備の導入など初期投資はかかりますが、国や自治体の補助金を利用すれば負担を軽減できます。

※補助金はエネルギー消費性能、断熱性能、創エネ量など要件をクリアする必要があります。

・地球に優しい

太陽光発電は再生エネルギーなので環境にやさしいエネルギーです。

また省エネ設備でエネルギー消費を抑えることはCO2の排出削減にもつながるので、ZET住宅は地球に優しいのです。

・一年中快適な暮らし

高い断熱性のため外気温の影響を受けにくいため、一年中室内の気温差を少なくすることが可能です。そして室内の温度差も小さいため体温や血圧変動が少なくなるので健康への好影響が期待できます。

冬場のヒートショックを予防するため高齢者のいる家庭にもおすすめです。

・非常時も安心して生活できる

太陽光発電と蓄電池を組み合わせれば、エネルギーをつくって蓄えることができます。

非常時に停電になっても蓄電池を使えば安心です。

・住宅価値の価値があがる

2016年から建築物省エネルギー性表示制度BELSという制度が施工され、住宅のエネルギー性能評価を指標化することは、住宅の資産価値にも影響します。

BELSで高評価を得られるZEH住宅は将来売却する時も高値で売れる可能性があります。

デメリット

・電力が不安定

太陽光発電は日照時間の短い冬場などは発電量が減少するため、安定した電力を得られない可能性があります。

・費用がかかる

断熱性や省エネ機器の設置には費用がかかり定期的なメンテナンスも必要です。

しかし、光熱費の削減や資産価値などを考慮すると長期的にはコスト回収できると考えます。

ZEHは地球に優しい環境に配慮した住宅です。特に災害の多い日本においては自立してエネルギーをつくりだすことは大きなメリットです。

また住宅ローン控除においても省エネ性能の区分があり、優遇が受けられるサービスもあります。

控除や補助を活用して、地球に優しいZEH住宅にぜひ注目してみてください。