「戸建てとマンション、どちらが地震に強いのか?」と疑問を持っている方も多いのではないでしょうか?
一般的に、木造の戸建ては地震に弱いのではないかと思われがちですが、それはイメージの誤解かもしれません。
実際には、戸建てかマンションかではなく法律で定められた耐震基準によって地震への強さは個々の物件の耐震基準や耐震等級によって変わります。
今回は、建物の強度を示す指標のひとつである「耐震等級」について解説します。
耐震等級は、建物の構造体の倒壊や崩壊などが起こりにくい程度を表しています。
数値が大きいほど、建物の耐震性能が高く、地震による被害を軽減することが期待されます。
耐震等級は主に3つのランクに分かれており、数字が大きいほど高い耐震性を示します。
また、耐震構造で免震構造や制震構造という言葉をよく耳にするかと思います。
免震構造は、建物に入る地震の揺れを建物に伝えにくくすることで建物内部と建物そのものの安全性を向上させます。
制震は建物内部にダンパーや制震装置などの部材を組み込むことで、地震の揺れを吸収する仕組みです。
建物の耐震性を高めるためには、耐震等級の向上や免震・制震技術の導入などが考慮されるべきです。
建物の耐震性を決める4つの要素
・建物の重さ
建物全体や屋根の重さが軽ければ、地震の揺れに対する振幅が小さくなります。
軽量な建物は地震力を受ける際に負荷が軽減されるため、耐震性が向上します。
・耐力壁
耐力壁は地震や風など横からの力に対して抵抗する役割を果たします。
建物内部に配置された耐力壁が多ければ多いほど、耐震性が高まります。
・耐力壁や耐震金物の配置場所
耐力壁や耐震金物は効果的に地震力を分散させる役割を果たします。
しかし、配置が不適切であったりバランスが取れていない場合は、効果を最大限に引き出せません。耐力壁は建物の隅角部分や上下階での配置の調整が必要です。
・床の耐震性能
建物の床には適切な補強や耐震構造の導入をして耐震性を高めることも重要です。
床の耐震性能が向上すると、地震時に建物の水平方向の耐力が増し、安定性が高まります。
耐震等級は3段階
・耐震等級1
きわめてまれに発生する大地震による力に対して倒壊、崩壊しない程度
建築基準法レベル
一般的な戸建てや住宅
・耐震等級2
耐震等級1の1.25倍の強さ
学校や病院、長期優良住宅の認定基準
・耐震等級3
耐震等級1の1.5倍の強さ
消防署や警察署など最高の等級
木造が多い戸建てよりも、鉄筋コンクリート造で建てられいるマンションのほうが、地震に強いと思う方が多いのではないでしょうか。
建物の耐震性は、使用されている材料の強度や柔軟性、耐震構造の種類などの要素が複合的に関与します。
さらに、築年数や地盤の状況など、建物以外の要素も耐震性に影響を及ぼすことがあります。
地震に強い家の3つのチェックポイント
・耐震等級
地震に強い家を検討しているのであれば、等級2か3を目安にしましょう。
・地盤
地盤も確認が必要です。
強い地盤であれば、揺れが小さく抑えられる可能性もあります。
・耐震構造
耐震基準は1981年6月1日に定められた新耐震基準を選びましょう。
(耐震構造の種類)
耐震構造 壁や柱を補強し建物全体で地震の揺れに耐える構造
免震構造 建物と地面の間に免震装置を挟むことで地震の揺れを抑える
制震構造 建物にダンパ―とよばれる地震の振動を吸収する装置を設置する
もし耐震性に関して不安がある場合は、専門の業者に相談して耐震工事を検討することをおすすめします。
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