マンションを購入する際、1階の住戸については慎重に考える必要があります。
なぜなら、1階には独特のメリットとデメリットが存在し、後悔の原因になることもあるからです。
今回は、マンション1階の購入におけるメリットとデメリット、そして後悔をしないために知っておきたいポイントについて解説します。
眺望の制約
1階のマンションには、眺望の制約があります。比較的高い階に住んでいる人々と比べると、1階からの眺望はあまり期待できません。
眺望は、建物の階層だけでなく、立地条件にも大きく左右されます。特に、周囲が建物に囲まれている場合は、眺望の制約がより厳しくなります。住宅街に位置するマンションで、周囲が他の建物に囲まれている場合を考えてみましょう。このような状況では、窓からの眺めは主に周囲の建物や道路の景色に限られます。広い景色や美しい風景を楽しむことは難しくなります。
残念ながら、眺望への対策方法はありません。そのため、1階のマンションを選ぶ際には慎重な物件選びが重要です。眺望を重視する方にとっては、高層階や周囲の状況に注目し、眺望の良い場所を選ぶことが必要です。
物件を選ぶ際には、建物の周囲の状況や立地条件を確認しましょう。
日照や換気の制約、湿気の悩み
1階のマンションの部屋は、周囲の建物によって日照や風通しが制限されることがあります。
周囲の建物によって日光が遮られるため十分な自然光を取り入れることが難しく、防犯上の理由から窓を開けっ放しにするわけにもいかないので換気も制約されます。
さらに、1階の部屋は地上からの湿気を取り込みやすい特性も持っています。そのため、他の階の部屋に比べて湿気に悩まされることが多い傾向があります。
もし1階の部屋を選ぶ場合は、内見の際に日照や風通しの状態を確認することが重要です。日当たりが十分であり、風が通り抜けることができるかどうかを注意深くチェックしましょう。
通行人や隣の建物からの視線
マンションの1階に住む場合、立地条件によっては「通行人や隣の建物からの視線が気になる」というデメリットがあります。
もしマンションがにぎやかな通りに面している場合、外からの視線が室内に入り込んでしまう可能性があります。
そのため、日中でも常にレースカーテンを閉める必要が生じるかもしれません。
また、向かいにマンションやビルが建っている場合は、そこからのぞき込まれる心配もあります。
そのため、「他人の目線が気にならないか」をしっかりとチェックすることが重要です。
虫の侵入
マンションの1階に住む場合、虫が侵入しやすいというデメリットがあります。
2階や3階でも虫は入ってくる可能性がありますが、高層階になるほど虫が飛んでくる機会は減少します。
そのため、1階に住む場合は虫よけ対策が重要となります。
防犯面でも不安
低層階の住宅では、窓を通じた侵入窃盗が約半数を占めていることが分かっています。特に1階の窓は、外からの窃盗犯でも比較的容易にアクセスできます。
マンションの出入口がオートロックであれば、表玄関からの侵入はある程度防げます。
しかし、マンションの裏手から塀を乗り越えて敷地内に入ることもありますし、1階のベランダや専用庭が道路に面しているようなマンションも存在します。このような場合では、1階の住宅の窓へのアクセスは比較的容易です。
侵入窃盗犯は、侵入しやすい家を狙います。上階への移動が必要なく、ベランダや植栽で覆われているマンションの1階は、高層階よりも狙われる可能性が高いです。
そのため、マンションの1階に住んでいる人は、十分な防犯対策を講じる必要があります。
騒音の悩み
マンションの1階の部屋は、通りに近いために通行人や車の騒音による悩みが増える可能性があります。
また、下には他の部屋がないため、自分が発生させる騒音によるトラブルは少ないですが、上の階からの騒音に悩まされる可能性が高くなります。
1階の部屋を選ぶ際には、周辺の騒音レベルを確認すると共に、防音性能にも注意を払うことが重要です。
防音性能が高いマンションであれば、外部からの騒音を軽減することができます。
購入を検討する際には、この点にも注意を払いましょう。
浸水被害の可能性
1階の部屋を購入する場合は、洪水による浸水被害にも注意が必要です。
1階は地面に近い位置にありますので、床下浸水や床上浸水などの被害が起こりやすくなります。
マンションの1階の物件を選ぶ際には、川の近くなど洪水のリスクが高い地域を避けることが重要です。
また、ハザードマップを確認して、安全性の高い部屋を選ぶようにしましょう。
ハザードマップは、洪水リスクや避難経路などが示されており、物件の安全性を判断するのに役立ちます。購入前に地域の洪水の傾向や対策などを調査し、安心できる部屋を選びましょう。
価格がお得
低層階のマンションを選ぶ最大のメリットは、その価格の安さです。
一般的に、分譲マンションでは階数が高くなるほど価格も高くなる傾向があります。
価格差は物件ごとの条件によって異なりますが、需要と供給のバランスを考慮すると、低層階のマンションは比較的手頃な価格で購入することができる場合があります。
低層階のマンションを選ぶことで、予算の範囲内で快適な住まいを見つけることができます。
災害時の避難がしやすい
低層階のマンションを選ぶ際のメリットの一つは、災害時に避難しやすいことです。
他の階のようにエレベーターを利用する必要がないため、非常時においても素早く安全な場所へ移動することができます。
また外出時や通勤時など、時間に追われている場合には、エレベーター待ちの時間がないことは非常に便利です。
下の階への騒音トラブルの不安がない
低層階のマンションに住む際のメリットの一つは、下階への音を気にする必要がないことです。
通常、上階からの足音や物音は下階に響きやすく、そのために住人同士の生活音が気になることがあります。しかし、1階住戸であれば、下には他の住戸が存在しないため、下階への音の配慮をする必要がありません。
マンションなのに庭がある
マンションの1階に住むメリットの一つは、庭が付いていることです。
庭付きの部屋では、ガーデニングが趣味の方は自分の庭で好きなだけ植物を育てることができます。花や木々を植えて季節の変化を楽しんだり、家庭農園を楽しむことも可能です。
庭に出るだけで自然の中に身を置くことができ、リラックスした時間を過ごすことができます。
また、小さなお子さんがいる家庭では、庭を活用して子供たちが遊ぶスペースを作ることもできます。
自分の好きなスタイルで庭をデザインし、庭の中での生活を楽しむことができるのは、マンションの1階ならではの魅力です。
子育て世代:
子供を育てている方にとって、庭のある1階のマンションは魅力的です。
専用庭があり、子供たちが自由に遊べるスペースを持つことができます。
また、上階への騒音トラブルを気にせずに子供たちとの生活を楽しむことができます。
マンションの1階では、子育てをしながらも戸建てのような広い空間を楽しむことができます。
庭の眺めを楽しみたい方
中庭や手入れの行き届いた芝生のテラスがあるようなマンションの1階は、庭の眺めを楽しむことができるため人気があります。
庭を眺めながらリラックスした時間を過ごすことができるでしょう。
マンションの1階は、専用庭やリラックス空間を楽しむことができるため、子育て世代や戸建て気分を味わいたい人にとって魅力的な選択肢です。
ただし、注意すべき点も存在します。まず、1階に住むことによるプライバシーの懸念や人の視線が気になることがあります。
また、水害リスクにも配慮が必要です。
これらの問題に対しては、慎重なマンションの選択や適切な防犯対策が求められます。
十分な情報収集と慎重な判断を行い、後悔のないマンション選びをしましょう。
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