不動産投資は安定した収益を望む大家さんにとって魅力的な選択肢ですが、賃貸物件を所有する際には様々なリスクを理解しておくことが肝要です。
特に、入居者が勝手に部屋を転貸する「又貸し」という問題は、不動産オーナーにとって潜在的な懸念要因となります。
しかも、放置してしまうと一層深刻な事態に発展するかもしれません。
そこで、このコラムでは賃貸物件における「又貸し」問題のリスクとその対策について探っていきましょう。
賃貸経営では、さまざまな問題が発生し、大家さんを悩ませることもあります。
その中でも「又貸し」という問題が大きなトラブルを引き起こすことがあります。
又貸しとは、入居者が大家さんの許可なく、別の人に部屋を貸してしまう行為を指します。
一般的に賃貸物件では又貸しは禁止されていることが多く、賃貸借契約を結んだ入居者は、第三者に部屋を貸す際には大家さんの許可を得る必要があります。
家賃滞納がある場合や入居者に訪ねてみると、実際には契約者と異なる人が住んでいるというケースはよく見られます。
また、長期不在の間に友人に貸していたり、一時的な理由で知り合いに貸している場合も又貸しに該当します。
又貸しは契約違反だけでなく、法律的にも問題となることがあります。
賃貸契約書に明確な禁止事項が掲載されている場合、入居者が又貸しを行うと、契約違反になるだけでなく、違法行為にもなります。
又貸しによるリスクを回避するためには、入居者との契約書に又貸しを禁止する条項を明確に盛り込むことが重要です。
また、定期的な入居者のチェックや管理の徹底を行うことで、又貸しの発覚や防止に努めることが必要です。
又貸しによるトラブルはさまざまな面で発生する可能性があります。
家賃滞納
又貸しの入居者は、入居審査に通らなかったり支払い能力に問題があることが多いため、家賃滞納の可能性があります。
家賃が滞ると大家さんは契約者に催促をしますが、契約者が家賃を滞納するなどトラブルになる場合は、立ち退きや法的手続きの検討をしなければならいので、負担がかかります。
近隣トラブル
又貸しの入居者が、生活音やゴミ出しのマナーを守らないなどの行動が原因で、近隣住民とトラブルが発生することがあります。
近隣トラブルから大家さんにクレームをもたらすことも考えられます。
部屋の破損
又貸しの入居者によって部屋が破損することがあります。
破損したのが契約者ではなくても、契約した借主に修理費用や損害賠償を請求します。
その場合、責任が明らかでないなどトラブルになることがあります。
民泊問題
又貸しの中には、民泊として部屋を転貸するケースもあります。
民泊はセキュリティ上の問題や近隣トラブル、治安の懸念があるため、大家さんにとって慎重な対応が必要です。
又貸しは契約違反であり、賃貸借契約書に明確な禁止事項が掲載されていることが一般的です。
契約違反に対して適切な対応を行わないと、他の入居者に対しても悪影響を及ぼす可能性があります。
事実確認
又貸しの疑いがある場合は、まずは契約者である借主に直接問い合わせを行います。
しかし、借主が正直に答えてくれない可能性もあるため、現地調査を行うことが重要です。
表札や人の出入りの確認、借主や転借主の住民登録の確認などを通じて事実を確認します。
ただし、借主の許可なく室内に立ち入ることは法的に問題があるため注意が必要です。
又貸しの事実を知った後に家賃を請求すると、又貸しを承諾したとみなされる可能性もあるため、法的なアドバイスを仰ぐことをおすすめします。
契約解除
又貸しの事実が判明した場合は、契約解除の理由となるため、契約解除することが可能です。
明け渡しに承諾しない場合は、強制執行を検討することもあります。
退去費用や修繕費用、途中解約による違約金の請求も検討しますが、違約金については契約書に明記されている必要があります。
民泊として又貸しを行っていた場合は、民泊規制に違反している可能性もあるため、法的な対応を検討します。
契約書の重要性
又貸しの禁止事項は契約書に明確に記載しておくことが重要です。
契約書に記載されていない場合、請求が難しくなる可能性があるため、契約書の作成は慎重に行う必要があります。
法的アドバイス
又貸しトラブルが複雑な場合や法的な手続きが必要な場合は、弁護士や不動産の専門家に相談することがおすすめです。
適切な法的アドバイスを受けることで、トラブル解決のスムーズな対応が可能となります。
大家さんは、又貸しトラブルに遭遇した際には冷静に対処し、法的な手続きや借主とのコミュニケーションを適切に行うことが重要です。
また、契約書の作成段階から又貸しの禁止を盛り込むなど、予防策も重要なポイントとなります。
近隣トラブルなどに発展する前に、迅速に対応しましょう。
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