住宅購入するとき「住宅ローン」を組むには「頭金」が必要と思っていませんか?
その理由は、頭金を用意することで、住宅ローンの総返済額を抑えることができるからです。
しかし、最近では「家は頭金無しでも買える時代」とも言われ、頭金を支払わずに住宅ローンを組む「フルローン」を選ぶ人々も増えています。
頭金は本当に必要ないのでしょうか?
フルローンにデメリットはないのでしょうか?
「頭金なしで家を買う」フルローンのメリットとデメリットを解説します。
以前、銀行は物件価格の7~8割までしか融資を行わず、残りの2~3割は頭金として購入者が用意する必要がありました。
しかし現在は頭金なしで住宅ローンを組む人が増えています。
頭金なしで住宅ローンを組む利点は、最初に大きな頭金を用意する必要がないことです。
これにより、住宅を手に入れるための敷居が低くなり、多くの人々にとって魅力的な選択肢となっています。
ただし、頭金を用意しない場合、借入金額は増加します。このため、注意が必要なのが「返済負担率」です。
返済負担率は、年収に対する年間返済額の割合を示し、以下の式で計算されます。
返済比率=年間返済額÷額面年収×100
住宅ローンの年間返済額は年収の20%程度に返済負担率を抑えることが理想的です。
例えば、年収1000万円の場合、年間返済額は200万円(月額約166,000円)程度になります。
頭金なしで住宅を購入できることは魅力的ですが、返済負担率が限界ギリギリである場合、慎重に考える必要があります。
【メリット】
機会ロスがなく柔軟な対応ができる
通常、住宅を購入するためには大きな頭金を用意する必要があり、これには長期間の貯蓄が必要です。
しかし、頭金なしの住宅ローンを選ぶと、頭金を貯めるプレッシャーから解放されます。
これにより、急な住宅購入の機会にも柔軟に対応できます。
ライフスタイルの変化に対応
住宅購入後、ライフスタイルに変化が生じることはよくあります。
子供の誕生、進学、独立、親との同居など、予測できない状況に頭金なしのフルローンを持つことで、柔軟に住宅購入タイミングを調整できます。
手元の資金を確保できる
頭金を用意する場合、手元の資金を住宅購入に充てる必要があり、他の急な支出や投資の機会を逃すことがあります。
一方、頭金なしのフルローンを選ぶことで、手元の資金を確保し、予期せぬ出費に備えたり、他の投資機会を検討したりできます。
住宅ローン減税の控除
頭金なしのフルローンを選択した場合、借入額が増加し、それに伴って住宅ローン減税の控除額も大きくなります。
これにより、所得税を軽減し、節税効果がアップします。
還付金を貯蓄や固定資産税に回すことができるでしょう。
【デメリット】
高い月々の支払い額
頭金を支払わないため、住宅ローンの借入額が増加します。
これにより、月々の返済額が高くなり、生活費や他の支出に対する負担が増えます。
返済負担率の増大
頭金を支払わない場合、借入金額が増加し、返済負担率が上昇する可能性があります。
返済負担率は、年収に対する年間返済額の割合を示し、高い返済負担率は生活費を圧迫することになります。
変動金利のリスク
頭金なしで借入金額が大きい場合、変動金利の住宅ローンを選択した際、金利上昇のリスクが増大します。
金利が上昇すると、月々の返済額が増加し、財政的な負担が増す可能性があります。
住宅ローン審査の厳格化
頭金なしの住宅ローンは、審査がより厳格に行われることがあります。
返済能力が不十分と見なされると、融資を受けることが難しくなる可能性があります。
売却後の残債リスク
マイホームを売却する場合、残っている住宅ローンの残高を返済する必要があります。
頭金なしの高額ローンを抱えていると、売却後に残債が残る可能性が高まり、財政的なリスクが生じることがあります。
頭金なしで住宅ローンを組んでも手続きなど諸費用が必要です。
諸費用
・ローン保証料
・融資事務手数料
・火災保険料
・団体信用生命保険料
・住宅ローンの登録免許税
・所有権の登録免許税
・司法書士の報酬
・印紙税
住宅ローンの諸費用は、一般的に中古物件の場合は物件価格の5~7%、新築物件では3~4%かかると言われています。
そのため、諸費用分として数十万円~数百万円が必要となります。
住宅ローンを組む際、諸費用を把握せずに借入可能額をギリギリまで借りてしまうと、新しい住居に移り住んだ後で生活が圧迫される可能性が高まります。
住宅ローン契約に必要な諸費用だけでなく、引越し代や家具・家電の購入に必要な費用まで含め、将来の生活に余裕を持てる借入額を計画しましょう。
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