都市の再開発や新しい駅の開設などによる周辺の利便性が変化や、物価の上昇などにより、設定している家賃が割安に感じられることなどがありませんか?
多くの大家さんが家賃の値上げを検討しているのではないしょうか。
とはいえ、家賃の値上げに賃借人が合意しない可能性も考えられます。
本記事では、賃借人の反発を避けつつ「家賃を値上げするための成功のコツ」を解説します。
そもそも家賃を値上げすることは可能なのでしょうか?
家賃の値上げは、借地借家法で求められている大家さんの権利ですが、正当な理由が必要です。
・周辺の家賃相場の上昇
都市の再開発や新しい駅の開設などによる周辺の利便性が良くなると、周辺の家賃相場が上がる場合があります。その場合、近隣の同種の建物の家賃と比較して不相当となった場合、家賃の値上げを求めることができます。
・固定資産税の増額
固定資産税の評価額は3年ごとに見直しされるため、地下上昇に伴い固定資産税の評価額が上がる可能性があります。
固定資産税の増額は大家さんの負担になるので、家賃の値上げを求めることができます。
・収益を上げるための値上げ
周辺環境の変化など正当な理由がなく、ただ収益を増やしたいといったオーナーの個人的な理由で家賃は値上げできません。
・極端に高い値上げ
周辺の家賃相場が上がった場合、家賃の値上げはできますが、極端に高い値上げはできません。
・賃貸契約書に記載がある
賃貸契約書に、一定期間家賃の値上げはしないなど特約が記載されている場合は、家賃の値上げはできません。
・契約更新時は避け、早めに通知
契約更新時は、更新料が発生するので入居者が退居する可能性が高いタイミングです。
また契約更新時の家賃の値上げは、更新期日までに入居者の同意が得られない場合、法定更新となります。
法定更新は、入居者を保護する目的のため「家賃設定額を含めそれまでの内容かつ無期限の契約へ自動的に変わります」
家賃の値上げをする場合は早めに通知しましょう。
入居者が退居する場合も、早めに予定がわかれば入居者募集も早く行うことができます。
・入居者に丁寧に説明する
どうしてこのタイミングで家賃を値上げするのか、入居者が納得できる正当な理由の根拠となる資料を提示し、丁寧に説明しましょう。
・入居者のメリットを考える
防犯カメラや宅配ボックスなど、入居者にとって快適な環境が整うことで、交渉がしやすくなります。
・信頼できる管理会社
最大の成功のコツは、信頼できる賃貸管理会社に依頼しましょう。
賃貸管理会社は、家賃の値上げに関する通知書や入居者から問合せにも対応してもらえるので、大家さんの負担が軽減できます。
・支払い拒否
賃料全額分、賃料の値上がり分など支払い拒否の可能性もあります。
強制的に支払いをしてもらう場合、法的処置が必要になりますがお互いに大きな負担になります。
・入居者の退居で収入の悪化
家賃の値上げがきっかけで、退居する人がいると空室が発生します。
空室期間が長いと、キャッシュフローが悪化します。
・法定更新になる
契約更新のタイミングでの家賃の値上げは、「法定更新」の可能性があります。
入居者の合意を得ないまま更新日を迎えた場合、従来の契約内容で契約が自動更新されてしまいます。
家賃の値上げは、入居者にとって何らメリットがないため、値上げのタイミングで退居を検討することもあります。
空室期間が長引くと、キャッシュフローが悪化してしまいます。
家賃の値上げの成功のコツは、早めに値上げ理由を丁寧に説明し、入居者が納得できる金額の範囲内に設定することです。
さらに、新たな設備を導入するなど、入居者にとって快適な環境を整えることも成功のコツです。
家賃の値上げを行う際には、入居者の同意を得やすいように丁寧に取り組みましょう。
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