空室対策でお悩みでしたら、入居の条件を見直してみるのはいかがでしょうか?
「住宅セーフティネット制度」をご存知ですか?
低額所得者や被災者、高齢者、障がい者、子育て世帯や外国人など「住宅確保要配慮者」が求める公営住宅は需要と供給のバランスがとれていないのが現状です。
住宅セーフティネット制度は、空き家や空室を活用して、住宅確保要配慮者への住宅確保支援を行うことを目的として2017年にスタートしました。
住宅セーフティネット制度は、社会不安を解消することができるとともに、改修工事費用の補助や家賃補助などでオーナーさんにとっても魅力ある制度となっています。
住宅セーフティネット制度について詳しくご紹介します。
住宅セーフティネット制度は、3つの制度、支援から成り立っています。
その① 住宅確保要配慮者向け賃貸住宅の登録制度
その② 登録住宅の改修や入居者への経済的な支援
その③ 住宅確保要配慮者に対する居住支援
基本的には、③の住宅探しに困っている「住宅確保要配慮者」を支援することが目的の制度ですが、賃貸のオーナー様が①と②を目的に利用することもできます。
それぞれを詳しくご紹介します。
① 「住宅確保要配慮者向け賃貸住宅の登録制度」とは
国土交通省HPより
賃貸住宅のオーナー様が、その部屋を「住宅確保要配慮者の入居を拒まない住宅」として登録する制度をいいます。
住宅セーフティネット制度に登録すると、住宅の情報が国土交通省の管理する「セーフティネット住宅情報提供システム」に掲載され、入居希望者がインターネットでも物件を探しやすくなるため、空室対策として活用できます。
登録できる住宅は、以下の要件を満たしたものになります。
・床面積が25㎡以上であること
・耐震性が新耐震基準に適合していること
・キッチン・トイレ・洗面・浴室等があること
・家賃が近隣の同種住宅と均衡を失しないこと
(シェアハウス(共同居住型住宅)はまた別に基準があります。)
② 登録住宅の改修や入居者への経済的な支援とは
住宅セーフティネットに登録すると、改修費用の補助が受けられることがあります。
補助の対象になる工事は、
・耐震改修
・間取り変更
・シェアハウスへの改修
・バリアフリー改修
・居住のために最低限必要と認められた工事
・居住支援協議会議会等が必要と認める工事
・これらに係る調査設計計画の作成
住宅セーフティネット制度の登録をお考えならば、障がいのある方や、年配の方が生活しやすいようバリアフリー化は必須でしょう。
改修費補助は、「国による直接補助」と、「自治体が補助をするときに国も支援する補助」の2種類で、どちらかの補助を受けることができます。
また、低額所得者が入居する場合、負担を軽くするために家賃を下げる場合は、その減額分に対して一戸あたり最大4万円/月の補助を受けることができます。
ただし、生活保護の住居確保給付金を受けている世帯は対象外です。
期間は原則として最長10年ですが、補助金の総額が480万円を超えていなければ自治体の判断によってそれ以上も可能になる場合もあります。
③ 住宅確保要配慮者に対する居住支援
高齢者や低額所得者、障がい者、被災者等の住宅の確保に特に配慮を要する人をいいます。
外国人やDV被害者なども住宅確保要配慮者になります。
住宅確保要配慮者は、住宅確保が困難な場合が多いため、住宅セーフティネット制度が制定されることになったのです。
オーナー様から見た住宅セーフティネット制度のメリットや注意点をご紹介します。
メリット
・リフォーム費用の補助が受けられる
・家賃を引き下げても40000円/月の補助が受けられる
・空室対策になる
注意点や可能性が高いと考えられるトラブル
・低額所得者=家賃未払いのリスクが高い
・高齢者=孤独死などの発生で資産価値低下になる可能性が高い
・外国人=言葉が通じないことや、生活習慣の違いによる周辺住民とのトラブル
また、住宅セーフティネット制度の補助金を受けると、今後10年「配慮者だけが入居できる専用住宅」となり、一般の人の入居募集ができなくなります。
さらにリフォームの補助を受けた場合は家賃に上限があり、その後10年間はその額以上の家賃設定はできなくなります。
この上限額は自治体ごとに算出されているので詳しくはお住まいの管轄へ確認することをオススメします。
住宅セーフティネット制度についてご説明しました。
この住宅セーフティネット制度は、建物全体だけではなく、一戸だけでも良いですし、一棟持っているが、その中で一階のなかなか借り手が付かないこの部屋だけといった個別の登録もOKです。
住宅セーフティネット制度は、住宅確保が困難な方たちに住まいを提供するという社会貢献になりながら、空き室対策にもなる制度です。
だれでも簡単にという訳ではありませんが、長期空き室に困っているオーナー様は、少し視野を広げてこの制度の活用も考えてみてはいかがでしょうか?
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