不動産検索サイトで、好立地条件なのに価格が安いので物件詳細を見ていくと「定期借地権付物件」だったことありませんか?
なんとなく「定期借地権付物件」はやめた方がよいと聞きますが本当にメリットはないのでしょうか?
今回は、定期借地権の内容から本当にメリットがないのかを解説します
例えばマンションの場合、普通の分譲マンションと定期借地権付のマンションではなにが違うのでしょうか?
【分譲マンション(所有権付きマンション)】
分譲マンションを購入する場合、「部屋」を買います。
しかし「部屋」と同時に「土地」も購入しているのです。
そのため、土地と建物の所有権をセットで購入することになります。
購入した部屋の専有部分「区分所有権」
共有部(エントランスやエレベータなど)の「共有持ち分権」
マンションが建っている土地を利用するための「敷地権」
【定期借地権付マンション】
分譲マンションは土地を購入しますが定期借地付マンションの場合、土地を購入するのではなく土地を利用する権利を借ります。
そのため、定期借地権付のマンションの場合は「土地の借地権」と「建物の所有権」をセットで購入することになります。
また借地権には「普通借地権」と「定期借地権」があります。
【普通借地権】
借地期間満了時に借主が申し出れば更新できる契約
【定期借地権】
借地期間満了時に借主が希望しても更新できない
借地期間満了後は建物を取り壊し更地にして土地を返還しなければならない
そのためマンションの資産価値は、所有権付マンション、普通借地権付マンション、定期借地権付マンションの順になります。
定期借地権付物件は本当にやめた方がよいのでしょうか?
メリット・デメリットを解説します。
【メリット】
・価格
分譲マンション(所有権付きマンション)に比べると、定期借地権付マンションの価格は割安です。
土地を所有しない分、価格が抑えられるので相場より2割程度価格が安いケースもあります。
・土地部分の税金がかからない
定期借地権付物件は土地を所有しないため、土地の固定資産税や都市計画税は課税されません。
しかし建物は所有しているので建物の固定資産税と不動産取得税は支払う必要があります。
・好立地な物件が多い
比較的、好立地な物件が多いのもメリットです。
定期借地権は、借地期間満了時に土地を地主に返還しなければいけません。
売りたくないが貸すなら良いと考える地主もいるので、マンションのディベロッパーは定期借地なら好立地の土地を確保しやすいのが理由です。
【デメリット】
・借地期間満了時に更地返還しなければならない
借地期間満了時には更地返還しなければならないことです。
最後は建物を取り壊さなければならないので、借地期間の終了を迎えてしまうと新たに住宅を購入しなければならないので、注意が必要です。
・維持費が高い
土地部分の税金がかかりませんが、「地代」がかかります。
また、所有権付マンションにはない「解体積立金」も発生するため維持費が高くなる傾向があります。
・資産価値が低い
定期借地権付マンションは、将来更地返還しなければならないという不安定な立場のため所有権付マンションに比べると資産価値は低くなります。
そのため、売却も難しくなる可能性があります。
・住宅ローンが組みにくい
資産価値が低いため、利用できる銀行が限られてしまいます。
そのため金利など有利な条件で組むことが難しくなります。
定期借地権付物件は、好立地で価格メリットがあります。
そのため、一時的な住居として考えている場合は好立地で安く購入できるのでおすすめです。また賃貸ではなく好立地に住みたい方にも向いています。
しかし将来的に子供に相続したい、売却したいと想定している人には難しい物件です。
不動産の購入は必ず権利の内容やメリット・デメリットを確認しましょう。
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