マンションには管理費と修繕積立金があり、毎月支払う義務がありますが、近年管理費の滞納が増加傾向にありその対策が急務になっています。
督促をしても払ってもらえない場合は、どのように対処すればよいのでしょうか。
「訴訟」「差し押さえ」「競売」などの具体的な対策はいつ、どのように進めるべきなのか。
滞納された管理費の回収には時効があるため早期の対応が求められます。
今回は、滞納対策と回収方法について解説します。
管理費、修繕積立金の滞納が発生するとどのような問題が生じるのでしょうか。
●マンションの維持管理に支障
管理費滞納の長期化や複数の住戸で滞納が発生すると、エントランスや廊下などの共用部分の維持費用が足りなくなるため、日々の生活に影響がでます。
共用部分の維持がおろそかになると、住人のマンションへの愛着が低下し売却、購入者の減少など、マンションの過疎化が進む原因になるかもしれません。
●必要な修繕ができないため建物が老朽化する
修繕積立金の滞納が増えると、将来の修繕計画の実施ができなくなる可能性があります。
必要な修繕ができなくなるため、建物の老朽化が進みます。
●マンションの資産価値が低下する
マンションは「管理を買え」と言われるほど管理が重要です。
マンションの管理費・修繕積立金は、住人が快適に暮らすための維持管理費用です。
そのため、滞納があると費用が不足し維持管理に支障をきたすため、建物の老朽化が進み、その結果、資産価値が低下してしまうのです。
ましょう。
振込の場合、振込忘れの場合がありますが、口座振替は自動引き落としのため徴収が可能です。
●管理費の必要性を説明
住民に管理費、修繕積立金の必要性をきちんと説明しましょう。
管理費等がどのように使われ、滞納によりどのような影響があるのか理解していない住民がいるため、収支報告資料とは別にわかりやすく説明することをおすすめします。
●管理規約の見直し
滞納した管理費等を裁判で請求する場合の弁護士費用等は、滞納者が負担する旨を規定することも、滞納対策の一つです。
●ペナルティの周知「遅延損害金」
滞納の遅延損害金の計算例を示すなどペナルティを周知することで、滞納対策につながります。
マンション管理費の請求権の時効期間は、支払い期日から5年間です。
最後の支払い期日から5年が経過すると、請求権が時効のため消滅するため、管理組合が何も行動を起こさずに5年が経過すると、滞納金を回収できなくなるのです。
そのため、早期対処が重要となります。
【督促の流れ】
滞納発生
未納発生後何日後に督促するか決め、管理会社から請求書、電話による督促
1ヶ月後
管理会社による督促状、電話、自宅訪問による督促
実施記録簿を作成
3カ月後
管理会社による督促状、電話、自宅訪問による督促
管理組合による内容証明便の督促
遅延損害金の検討
6ケ月後
法的措置や氏名公開、念書取付等の検討
裁判で勝訴判決後、支払ってもらえない場合の最終手段は財産を差押さえて、滞納管理費を回収します。
差押財産には、貯金、給与、動産、不動産などがあります。
マンションの管理費の滞納は、マンションの維持管理や資産価値に悪影響を及ぼします。たとえ一人の滞納でも、数ヶ月続けば金額が増え、回収が困難になります。
滞納への対策には手間やコストがかかるため、管理費の徴収方法や管理規約を見直し、滞納を未然に防ぐことが重要です。
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