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旧耐震基準マンション購入にはどんなリスクがあるの?

  • 2022.07.20

近年、築古マンションのリノベーション物件が人気です。
同じ価格なら新築マンションより好立地で、広い物件が手に入るのが人気の理由です。
しかし、価格や内装や間取りだけを見て購入してはいけません。
見落としがちなのは、建物の安全性です。
安全性の判断基準に「旧耐震」と「新耐震」があります。
今回は、旧耐震マンション購入のリスクやチェックポイントについてみていきましょう。

旧耐震基準と新耐震基準の違い

新耐震基準と旧耐震基準では、大地震が起きた時の建物状態が違います。

 

旧耐震基準

建築確認日が昭和561981)年531日までのもの

中規模の地震動(震度5強程度)の揺れでも建物は倒壊・崩壊しない

 

新耐震基準

建築確認日が昭和561981)年61日以降のもの

中規模の地震動(震度5強程度)で、家屋がほとんど損傷ない

大規模の地震動(震度6強~7程度)でも倒壊・崩壊しない、多少の損傷は許容

 

 

新耐震基準が定められた理由は、昭和531978)年の宮城県沖地震を受けたものです。

宮城県沖地震はマグニチュード7.4、震度5(仙台市)、全半壊の建物は4,385戸、一部損壊の建物は86,101戸と多くの建物が被害を受けたことにより、耐震基準の見直しが行われました。

その結果、平成71995)年の阪神・淡路大震災で倒壊した建物の多くは旧耐震基準のもので、新耐震基準の建物の多くは大きな被害を免れました。

 

しかし実際の耐震性は建物によって異なるので、旧耐震基準だからすべての建物の耐震性が低いということではありません。

 

*旧耐震と新耐震の見分け方は築年数ではなく「建築確認日」なので注意しましょう。

建築確認日=建築前に役所に図面と書類を提出し建物や地盤が建築基準法に適合しているか確認すること。

旧耐震基準マンションのメリット・デメリット

【メリット】

・価格

築古のマンションは建物価値が低くなるため周辺の価格相場と比べて割安です。

特に、旧耐震基準の物件は安値の傾向があります。

 

・好立地

基本的にマンションは利便性の良いところに建てられているため、好立地の場所にはすでにマンションが建てられています。

そのため築古マンションほど好立地の可能性があります。

特に、人気な街では好立地な場所にはすでにマンションが建ててあるので、新築マンションを好立地な場所に建てるのは難しくなっています。

そのため旧耐震基準のマンションは、新築マンションよりも好立地なケースが多くなります。

 

・ヴィンテージ感

築古のマンションは当時の文化が反映されていて、個性的でおしゃれな外観のマンションも多いです。新築マンションではなかなか見られないタイルや建具などに凝ったテクスチャーのこだわりがあるタイプもあります。

 

・ゆとりのある敷地

ヴィンテージマンションは広いゆとりのある敷地に建てられているケースもあり、中庭や共用ロビーなどゆとりのあるつくりも多くあります。

 

 

【デメリット】

・耐震性

旧耐震基準は震度5を超える場合を想定していないので、建物が倒壊する可能性がゼロではありません。

 

・住宅ローンが利用できない

金融機関によっては旧耐震基準の物件はローンが利用できない場合があります。

 

・住宅ローン控除が利用できない

住宅ローン控除の条件は、新築住宅の取得、築20年以内の非耐火住宅(木造など)、築25年以内の耐火住宅(マンションなど)なので、旧耐震基準のマンションは対象外になります。

但し、耐震基準適合証明書があれば住宅ローン減税が受けられます。

 

・修繕積立金が高い

マンションでは、共用部の修繕が必要です。

例えば、エレベーター点検や屋上の防水工事などがあるため修繕費用を毎月積立てます。

修繕計画は、長期修繕計画に沿って設定していますが築古物件だと修繕費用がかさむ為、修繕積立金が高くなります。

旧耐震基準の物件は価格が安くても、修繕費が高い可能性があるので購入前にチェックしましょう。

 

・売却がむずかしい

旧耐震物件の購入には住宅ローンを利用できる金融機関が限られるため、購入する人も限られてしまいます。

そのため誰でも購入できる物件ではないので売却がむずかしくなります。

旧耐震基準のマンションを購入する時のチェックポイント

旧耐震基準だからと言ってすべてのマンションの耐震性が低いということではありません。

実際の耐震性は建物によって異なるので、耐震性に関わるチェックポイントを見極めることが重要です。

 

・耐震基準適合証明書

新耐震基準を満たすことを証明する書類が「耐震基準適合証明書」です。

取得できる物件であれば、住宅ローン控除などを受けることができます。

 

・建物構造

鉄筋コンクリート造には、壁式構造とラーメン構造があり、築古マンションでは重心が低く強固なつくりになっている壁式構造のほうが安心です。

 (壁式構造)

柱はなく壁梁や壁で支える構造。

耐力壁と言われる縦横からの力に強く厚い強固な鉄筋コンクリートの壁が使われます。

高層になると強度が十分に保てなくなるので5階以下の中低層のマンションや建物に利用されます。

断熱性、防音性が良く、強固で耐震性に優れています。

 (ラーメン構造)

柱と梁で枠組みを作り、柱と梁の接合部分を強く固定することにより耐震性を高めているのが特徴。

横からの揺れに弱く、壁式構造に比べると耐震性の面で劣ります。

 

・修繕履歴・管理状況

築古物件では、築年数より管理状況がポイントです。

過去の修繕履歴、今後の修繕計画、管理費・修繕積立金の状況など、メンテナンス状況とお金の積立具合を確認しましょう。

 

・建て替え予定

旧耐震基準のマンションは築40年以上のため、建て替えが検討されることがあります。

建て替えをする場合は、せっかく購入しても取り壊されてしまいます。

また建て替え費用の負担もあり、仮住まいの家賃、引っ越し費用など家計を圧迫しかねません。

 

旧耐震のマンションは、比較的好立地に位置し価格も低めです。

しかし、安全面や修繕費用、税金控除がうけられないなどデメリットもあります。

旧耐震基準のさまざまなチェックポイントを理解して、納得した上で購入をしましょう。

投稿者プロフィール

株式会社イエスリフォーム 代表取締役 齋藤直樹
株式会社イエスリフォーム 代表取締役 齋藤直樹
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